日常の中にこそ、見過ごされがちな美しさが存在しています。

もともとアーティストを目指していたわけではない私にとって、私的な作品作りは「誰か」や「どこ」を描くものではありません。何でもないふとした瞬間の、しかしながら予め用意されたかのようなシーンというものは、この世のあらゆるところに無数に存在していて、私が作品作りを通じて行っていることはそういった見過ごされている美しさをわかりやすい形にするということです。私にとって街を歩く人々はシーンを構成する登場人物であり、風景は舞台なのだから、その瞬間の美しさを逃さぬためにスマートフォンのカメラで撮影し、それを引き出すために色彩と水彩とメゾティントといった表現を活用しています。

【プロフィール】
若松 貴志
1982年生まれ。東京都出身。商業デザインを生業とする株式会社ワッカデザインの代表取締役でグラフィックデザイナー。中小企業から大企業に至るまで多数のグラフィックデザインやブランディングを手がけている。アート活動における写真をベースに絵画的な表現を融合させる独自の手法は、仕事のビジュアル表現で写真をイラストレーション化したことがきっかけ。Webサイトとインスタグラムを中心に活動中。